善福寺川緑地 巨大なトンネル式調節池工事計画のこと

自然の恵みを活かしたグリーンインフラによる取り組みが、気候変動への対策や社会基盤の整備に活用され、国内外で成果を挙げています。

杉並区でも、コンクリートで固めたグレーインフラではなく、グリーン(自然)を活かした防災・減災対策を進めています。

一方、東京都は、杉並区内を流れる善福寺川の上流に巨大なトンネルを堀り、地下調節池を作る工事を進めようとしています。

トンネルは、地下約40m、内径約9m、全長約5.8kmという大規模なもので、事業費は1400億円〜1500億円、工事期間は、準備期間を含めると17年以上という計画です。

 この事業では、善福寺川緑地に生い茂るケヤキやエンジュ、サクラなどの樹木およそ100本を移植、伐採、剪定する計画となっており、緑保全、そしてグリーンインフラ推進の観点からも大きな課題を抱えています。

私は近隣住民の皆さんが開いた樹木確認会に2回参加し、移植や伐採対象となっている木々を見てきましたが、あまりの規模の大きさと、環境植栽学・造園学の第一人者の藤井英二郎さん(千葉大名誉教授)が指摘した東京都のずさんな計画を知り、あ然としました。

(木々が枯れないように移植するための「根回し」には1年から最大3年かかるのが、東京都の計画ではそれがいっさい考慮されていないなど)

しかも、この計画では子どもたちの遊び場への影響もあります。

ロケット型の滑り台がランドマークとなっているロケット公園のすぐ脇に工事ヤードが建設されることになっているためです。公園の敷地はすべて使うわけではないということですが、子どもたちがのびのびと遊べる環境が損なわれてしまうことは確かです。

さらにこの工事は準備期間も含めて向こう17年先まで続く計画となっていて、この間、このトンネルには1ミリも水を入れることができないのだそうです。

果たしてこの工事、本当に有効で必要なのでしょうか。

今後、気候はますます極端化し、高温化することが予想されています。そんなときに、木陰をつくり、気温上昇を抑制する効果が実証されている緑地を減らすのは、控えめに言ってもナンセンスな発想のように思えます。

もちろん水害対策は必要です。被害に遭ったことのある方が安心して暮らせる環境を作ることが大切なのは言うまでもありません。

けれども、コンクリートでガチガチに固める方法ではなく、自然を活かした手法を選択することはできるはずです。

善福寺川緑地では、近隣住民への説明が不十分なまま、5月11日から準備工事がはじまろうとしています。

善福寺川流域の自然と暮らしを守る会では11日、現地で抗議行動を計画をしています。(告知チラシは次の投稿に貼り付けます)

[トップ写真は4月22日の善福寺川流域の自然と暮らしを守る会主催の樹木確認会。大きなケヤキの木の下に集まる参加者たち。2枚目は2月27日の樹木確認会で]

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